アルコールは筋肉を硬くするのか?最新研究とプロ選手の習慣から見えた「本当の話」
「 お酒を飲むと、翌日なんだか体が硬い、重い… 」
「 飲み会の次の日は、筋肉が張る気がする 」
この冬の飲み会シーズンの時期、こうした声をとても多く聞かれます。
では実際に、アルコールは筋肉を硬くするのでしょうか?
結論から言うと、
アルコールそのものが筋肉を物理的に“硬くする”という科学的証拠はありません。
しかし、「脱水」や「回復力の低下」によって、結果的に筋肉がガチガチになってしまうのは事実です。
つまり、あなたが飲み会の翌日に感じる「体の重さ」や「硬さ」は、決して気のせいではないのです。
今回は、なぜ飲酒後に筋肉が張るのかという「身体の仕組み」と、
トップアスリートも実践している「筋肉を守る飲み方」について解説します。
[もくじ]
【結論】アルコールは筋肉を「硬くする」のではなく「弱くする」
筋肉が硬く感じる原因は、
実は「硬さ」そのものではなく、機能低下にあります。
アルコールによって体内で起きる負の連鎖は、以下の通りです。
【アルコールによる筋肉への影響】
🍺 アルコール摂取
↓
📉 筋肉の回復・修復機能が低下
↓
💧 脱水・血流低下・神経反応の低下
↓
😫 結果として「筋肉が張る・重い・硬い」と感じる
整体の現場で見る
飲酒後の
「腰の張り」、「首肩の重さ」
は、ほぼ例外なくこの流れで起きています。
具体的に、体の中で何が起きているのでしょうか?
主な理由は5つあります。
アルコールが筋肉の機能を落とす5つの理由
① 筋肉の修復・成長が止まる
運動後、筋肉はタンパク質合成によって、修復・強化されます。
しかし、アルコールは、
この合成スイッチ(mTOR)を抑制してしまいます。
その結果、以下のようなデメリットが生じます。
-
筋肉が回復しにくい
-
トレーニング効果が出にくい
-
疲労が翌日まで残る
特に「運動直後のビール」はめちゃくちゃ美味しいですし、
グビグビいっちゃいますが
筋肉にとっては大きなマイナスになってしまいます。
② 筋疲労が抜けにくくなる
筋肉の収縮にはカルシウムの調整が不可欠ですが、
アルコールはこのカルシウム調整の仕組みに悪影響を与えます。
結果として、
「力が入りにくい」
「動きが鈍い」
「パフォーマンスが落ちる」
といった状態になります。
飲酒後の「なんとなく体が重い」という感覚は、ここが原因です。
③ 脱水で筋膜が「滑らなく」なる
ここが一番のポイントです。
アルコールには強い利尿作用があります。
体内の水分が失われると、筋肉を包んでいる「筋膜(きんまく)」の滑りが悪くなります。
-
筋膜の滑走性が低下(ネバネバするイメージ)
-
筋肉が張りやすくなる
-
こり・違和感が出やすい

整体師の視点から見ると、
飲酒翌日の体の硬さの正体は「脱水による筋膜の癒着」が非常に多いです。
通常の慢性的に硬くなった筋肉も同じことが起きていますが、、、。
④ 睡眠の質が下がる
アルコールは一時的に眠くなりますが、
深い睡眠(ノンレム睡眠)を減らしてしまいます。
深い睡眠中に分泌されるのが、
筋肉の回復を促す「成長ホルモン」です。
成長ホルモンによる回復の恩恵が受けられないのです。
つまり、
「長時間寝たのに疲れが取れない」
「朝から体が重い」
という状態になります。
④ 神経の反応が鈍くなる
筋肉は「神経が命令 → 筋肉が動く」という仕組みで動いています。
アルコールは神経伝達を鈍らせるため、反応の遅れやバランス低下、
最悪の場合はケガのリスクを高めてしまいます。
プロ選手はどう管理しているのか?
ここが一番重要なポイントです。
実は、体が資本であるプロ選手ほどアルコール管理を徹底しています。
【有名選手・プロの共通点】
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シーズン中は基本的に禁酒
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試合・強度の高い練習の48〜72時間前は飲まない
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試合後すぐは飲まない
-
飲む場合も「量・水分・睡眠」を厳密に管理
例えば、大谷翔平選手はシーズン中の飲酒を避け、回復と睡眠を最優先にしていることは有名ですし、
NBA選手の中には翌日の回復スコアを見てトレーナーが飲酒可否を判断するチームもあります。
プロは「飲めるかどうか」ではなく、
「明日のパフォーマンスに影響が出るかどうか」で判断しています。
筋肉を守るための「飲むならこれを守る」5つのルール
そうはいっても、
私たち一般人は付き合いもありますし、お酒を楽しみたい時もあります。
スポーツ整体師としておすすめしたい、
「ダメージを最小限にするための実践ルール」
をご紹介します。
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運動後3〜4時間は飲まない
筋肉修復のゴールデンタイムだけは避けてください。
ホントは当日も飲んでほしくはないです。 -
お酒の1.5〜2倍の「水」を飲む
これだけで翌日の張りは大きく変わります。脱水を防ぐことが最優先です。
当然ですけど、コーヒーや緑茶はダメです。 -
深酒した翌日は「軽く」動く
じっと寝ているよりも、ウォーキングなどの軽い有酸素運動で血流を回したほうが回復が早まります。
筋肉に刺激を入れてあげるイメージで。 -
寝る3時間前には飲み終える
睡眠の質を守るだけで、翌朝の回復力が変わります。
睡眠のチカラは侮れないです。 -
翌朝はタンパク質と電解質を摂る
プロテイン、味噌汁、バナナなどがおすすめです。
まとめ|飲み方を変えれば、筋肉は守れる
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アルコールは筋肉を直接硬くするわけではないが、機能を低下させる
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脱水によって「筋膜」が滑らなくなり、結果的に体が硬くなる
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プロ選手ほど、飲むタイミングを徹底管理している
-
「水」と「睡眠」を意識するだけで、ダメージは減らせる
運動している人ほど代謝が良いため、
実は「お酒の影響(脱水など)を受けやすい体」
だということを忘れないでくださいね。
【飲み会続きで体が悲鳴を上げていませんか?】
「水を飲んだり対策をしたけれど、やっぱりカラダが重い……」
「背中が張って、寝ても疲れが取れない」
そんな時は、我慢せずに
プロの手を借りて筋肉の「リセット」するのも一つの手です。
当院のスポーツ整体は、
アルコールによる脱水で滑りが悪くなった「筋膜」を調整し、
内臓疲労からくる「背中の張り」を緩めるアプローチも行っています。
「飲み会の翌日だから整体に行きづらい」
なんてことはありません。
むしろ、ダメージを早く抜いてケガを防ぐために、
整体を活用してください。
年末年始をベストコンディションで乗り切るために。
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